COLUMN住まいのコラム

家づくりを考える人の年齢やお金の事情 家づくりの成功の鍵 Vol.1

イエタッタ編集部
2023.12.12

一級建築士が解説! 

 家づくりを考える人の年齢やお金の事情

 

 1.年齢、子どもの有無

住宅相談の窓口イエタッタカウンターの利用者の平均年齢は男性34才、女性 32才。夫妻の平均 初婚年齢が男性 31才、女性29才(※1)と比較すると、結婚して少し落ち着いた頃に家づくりを考えていることがわかる。そこで子どもの有無を確認すると、約60%の利用者に子どもがいることがわかる。また個別相談で家づくりを考え始めたきっかけをヒアリングしているが、アパートでの子育てが難しいことやイメージしにくいことを理由にあげている。つまり、年齢から逆算して結婚して第1子を出産する前後、ライフスタイルの変化に対応するために家づくりを考え始めている人多い。(※図1)

また20代の利用者中心にコロナによって結婚式が困難になり、かつ漠然としたお金の不安からアパートの家賃がもったいないという考えから、結婚してすぐに家づくりに動く人が一定数見受けられた。子育てのためにといったポジティブな意見に反して、近年の物価上昇も含めた漠然とした将来の不安からこのような動きが起きていると考えられる。どちらもイメージ通りのタイミングではあるが、ポジティブな理由とネガティブな理由が混在しているのが現状だ。

※1厚生労働省令和3年(2021)人口動態統計月報年計

 

2.働き方

パートが5.9%、専業主婦が7.8%というデータから、正社員の共働きの夫婦が家づくりに取り組んでいることがわかる。(※図2)近年、土地や工事費の高騰により家づくりにかかるコストが大きく上がっている。金沢市の住宅地の場合、前年比較で令和4年度は2%、令和5年度は2.8%地価が上昇している(※2)。工事費は多数の住宅会社にヒアリングしたところ、コロナ前と比べて300万円は上がったという回答が多い。年収によって住宅ローンの借入金額が決まることから、20代後半から30代前半で夫婦どちらかの収入だけでは予算が足りず、夫婦の収入合算でなければ家づくりは難しいことが働き方からわかる。※2石川県企画振興部 令和5年地価公示のあらまし(石川県分)

総務省が5年に1度発表する「就業構造基本調査2017年版」で、石川県の共働き率は全国3位(56.1%)。コストの問題からも家づくり層の共働き率は非常に高い。 

3.年収

世帯年収の平均値は787万円、中央値は766万円となっている。住宅ローンは、年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合(返済比率)で借入限度額が決まる。返済比率の上限は金融機関によっても異なるが、フラット35では30%(年収400万円未満の場合)、35%(年収400万円)、民間の金融機関の多くは30~40%程度を上限に設定している。上限まで借りると生活が困難になるため、理想は返済比率20%、上限で25%と推奨されている。利用者の平均年収787万円、金利1.8%(フラット35程度)、35年ローン、返済比率20%で試算すると、4,085万円が理想的なローン金額と考えられる。弊社調べによる注文住宅の平均請負契約金額が約2,830万円(税込)のため、金沢市や野々市市だと不利な条件の土地、それ以外の自治体であれば土地の候補が出てくるような予算感である。

現代の家づくり相場から、土地取得からの家づくりに必要な年収の目安は750万円以上と考えられる。支出とのバランスにもよるので事前に検討しよう。

4.預貯金

預貯金の平均値は817万円、中央値は568万円となっている。家づくりするにあたって家具家電の購入費用や手続きに関わる諸費用等、現金の支出は必要不可欠。住宅金融公庫によると、耐久消費財(家具家電等)の購入金額は新築一戸建てで平均201万円(※3)。これに加えて土地の手付金や申請手数料、引越代などが加算される。土地購入からの家づくりで準備しておきたい自己資金の目安は、請負契約金額の10~20%。前述の金額から算定すると283万円~566万円が準備できているとスムーズな家づくりができるだろう。もちろん、自己資金を支払って預貯金がゼロになるのはリスクが大きいため、生活に必要な預貯金も残せるよう計画しましょう。

※ 3 住宅金融支援機構 住宅取得に係る消費実態調査(2014 年度)

住宅ローンで支払えないお金があるため、自己資金ゼロ円で家づくりは不可能。現金で支出しても生活に必要な預貯金が残るよう計画的に動きましょう。

 

 

5.実動データから見る家づくりのタイミング

最後に、家づくりに取り組むタイミングは人それぞれ。結婚、出産、子育てといったタイミングは多いけど、現状の収入や預貯金の状態で取り組んでいいのか不安な人は少なくない。そこで弊社が運営するイエタッタカウンターの利用者データから、家づくりに取り組む人たちの傾向を知り、今後の動きの参考にしてください。

 

 

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解説:一級建築士 鶴見哲也

1986年石川県かほく市出身。新潟大学大学院修了後、金沢市の設計事務所や住宅会社で8年半建築設計業務に従事。2019年(株)ミライエ・カンパニーに転職し、メディアの立場から家づくりをわかりやすく、失敗しないようサポート。イエタッタカウンターでは勉強会や個別予約で直接相談可能

 

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