実録、住まいの燃費(光熱費)
皆さん、車を買うときって燃費を気にしますか?
低燃費車、ハイブリッド車、電気自動車ってなんだかお得な気がしますよね。
では住まいを建てる時に燃費って気にしますか?
「住まいの燃費=光熱費」なんですが、おそらく「考えたことがない」って方が多いと思います。
高気密高断熱住宅、省エネ住宅、エコハウス、ZEH等々、名前だけ一人歩きしていて、それらがどの程度の能力なのかわからないと思います。
本当にお得なのか、高性能な断熱性能なのか明確に把握するには光熱費シュミレーションが有効です。
弊社も昨年導入したんですが、シュミレーションの精度がどの程度なのか不安なため、現在社員自宅で記録をとっています。
それがこちらのグラフです。
12月末に入居したリノベーション物件で、オール電化のため電気代のシミュレーション結果と実際の請求金額を比較しています。
断熱性能はHeat20G2(暖房間欠運転で、冬場の室内体感温度が13度以下にならない)程度です。
1月は住み慣れていなくて、エアコンの設定温度を24度で運転していたため実測値が1500円程高くなってしまいましたが、2月以降は22度、風量自動設定で運転してシミュレーション結果との差が±100円程度という結果でした。
エアコンが22度設定って低くないか!?と思われる方もいるかと思いますが、22度で寝る時以外は運転士っ放しが多く、室温は22~24度を保っていました。
外気は5度以下の冬場において、家に帰ってきたら22度あったら温かいですよね。
寝る時は乾燥が気になって消していましたが、朝起きるまでの8時間で下がる温度は5度程度の16~18度なので寒くて布団から出られないなんてことはありません。
さて、この金額が安いかどうかこれから家づくりする方には分かりにくいと思います。
シミュレーション結果との差額が±100円程度なので、精度は確かなものだと考えられます。
そこで2020年義務になるはずだった(延期になりました)次世代省エネ基準と光熱費の差額を見てみます。
(次世代省エネ基準:暖房間欠運転で、冬場の室内体感温度が8度以下にならない)
(Heat20G2基準(採用した断熱性能))
(2020年義務になるはずだった次世代省エネ基準)
採用した性能の光熱費は年間12万2490円、2020年基準は年間17万6234円で、差額5万3744円になります。
工事費は当然性能が低い2020年基準の方が安いんですが、年間5万円を超える差額が出ます。
10年で53万、20年で107万、30年で161万円...住宅ローン完済までのことを考えるととても大きな差ですし、そのスパンで考えれば性能向上にかかる仕様アップの金額は回収できると考えられます。
お金の話もさることながら室内の快適性が異なるので、お金以上に得られるものが多いと思います。
長くなりましたが、家づくりをする際に耐震性能、断熱性能、デザイン等、気になることは多いはずです。
それらについてより具体的に把握することで、家づくりに対する納得度が変わってくると思います。
アパート選びと違って長く住む住まいだからこそ、長いスパンで考えて良い家なのかどうかといった視点が大事で、目先の工事費の安さだけで判断するのは危険かなと思います。
長く快適に住めるよう、弊社もお手伝いできたら幸いです。