放射冷却
こんにちは、隅です。
本日は前回の予告通り放射冷却について
まず放射(輻射)とは
ある物体から温度に応じた波長の電磁波が放出されること
そして、放射冷却とは放射することで温度が下がること
太陽の光に当たると暖かいのは太陽からの電磁波が体に吸収されているから
私たちの体や地球からも放射しています。
太陽の光と地球から放射のバランスが同じなら温度はほとんど変わらない
どちらかが多ければ暑くなり、寒くなります。
左図のように冬の早朝や夜間に雲がなく晴れてると地球からの放射の量が多くなり、冷える
右図のように曇っていると地球からの放射を邪魔し(跳ね返ってきて)冷えにくくなる
ちなみに湿度が高い場合も雲と同じようになるため放射冷却されにくい
急ですが、ここで雪国と内陸部の1月の気温(気象庁のHPより)を見てみましょう
金沢 最低気温 -2.0℃ 最高気温 16.2℃
甲府 最低気温 -7.0℃ 最高気温 16.1℃
熊谷 最低気温 -6.4℃ 最高気温 18.1℃
雪国金沢よりも甲府や熊谷などの内陸部のほうが最低気温が低いことがわかります。
金沢は曇りばかりで雲が邪魔して放射冷却が少なく、甲府、熊谷は晴れの日が多く早朝や夜間の放射冷却が多いことが関係していると考えられます。
昔は気象庁のホームページなんて雨が降るかだけを確認するための1つでしたが、今はこんな感じで見てみると面白いですね。
もう1つ、たまに冬場の晴れた朝方に家の外壁が格子上の模様となって濡れている所と濡れていない所がある光景を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
これも放射冷却で冷えた外壁に、暖かくなった周りの空気がそこに接触することで結露が起こっています。
濡れている所は断熱材が入っている部分で内部の熱が逃げにくいため冷えたままに
濡れていない部分は柱や梁などの構造材の部分で断熱部よりも熱が逃げやすいためその部分だけ暖まり結露が起こらない
薪ストーブも放射することで私たちを温めており、性能の低い窓の近くにいると寒く感じるのも人体から窓の方に放射して冷えているからで家の中にも放射は存在しており、暖かい、寒いを決める要素はいろいろありますね。