基礎の話②「地中梁」
こんにちは、隅です!
この前まで暑かったのに急激に寒さを感じるようになりましたね...
皆様は体調崩されていないでしょうか?
私は月末にある建築の講座を受けに名古屋に行かなくてはいけないので体調崩さないようにしなくては...
さて、金沢市有松では上棟が行われました。
これぞ上棟日和といった感じに晴れ渡っていました。
この建物は下の写真のように三角形を繋ぎ合わせ屋根を構成(トラス構造)することで力が分散し、柱や壁の無い9m×11mの大空間を実現しています。
もちろん構造計算がされており強度的にも問題ありません。
用途は空手道場と学童。
構造材が整列していて美しいですね。隠してしまうのがもったいない...
それでは前回の続きで今回は基礎の話②「地中梁」
基礎には建築中も含め、建物が建った後に床下の点検をするため各部屋の床下空間に行き来できるように人通口という人が通れる開口部を作ります。
赤矢印の部分が人通口。
当たり前のことを言いますがこの人通口の部分には基礎はありません。簡単に無くして良いのでしょうか?
ここで基礎(鉄筋コンクリート造)の基本を見てみましょう。
鉄筋コンクリート造の建物は上の図のように4周を田んぼのように区画ごと立上りで囲うのが基本なります。
鉄筋コンクリート造と木造の住宅は別に思えるかもしれませんが住宅の基礎も立派な鉄筋コンクリート造なので同じように区画ごと4周を立上りで囲う必要があります。
ここで住宅の基礎は点検するために人通口が必要だから4周囲われていないじゃないか!と思った方その通りです。
人通口を作ることで鉄筋コンクリート造の基本からはずれてしまう...でも人通口を作らないと床下の点検ができない...
その対策として人通口の下に地中梁(補強)を作ることで鉄筋コンクリート造として成り立たせているのです。
まずこちらが補強も何もしていないただの人通口を横から見た場合
そしてこちらが人通口の下に地中梁という補強をした場合
人通口を作り基礎が無くなってしまった分、その下に基礎を作って補強しています。
このように人通口がある場所の下には基本的に地中梁で補強しないと鉄筋コンクリート造が成り立っていない強度が低い基礎ということになります。
かなり分かりずらいですが赤の部分が人通口で黄色の部分が地中梁となる部分
この地中梁の大きさ(高さ)や鉄筋の量などは構造計算をすることで正確に分かります。
ただ点検で人が通れるだけの開口を作るのではなく、基礎に穴(弱点)を作るのだからそれ相応の補強が必要だと思いませんか?
「住宅の基礎だからそこまで必要無いでしょ」なんて聞いたこともありますが途中に記載したように木造の住宅の基礎だろうが鉄筋コンクリート造の建物だろうが同じ鉄筋コンクリート造ですので基本に忠実に作らなくてはいけません。
文字だらけの頭が痛くなりそうな本も読みながら。笑
家を建てる時お客様はこんなこと知らずに見ずに建ってしまうことがほとんどだと思います。
判断が難しいですが建築会社を探すときこんなことも考えながら探してみてはいかがでしょうか?
次回は基礎の「養生」についてのお話。お楽しみに!