私たちはグラスウールを正しく施工できているのか?
こんにちは、隅です!
先日、福井県の養老館庭園へ行って参りました。
庭園はもちろんのこと建物内からの景色が素晴らしかったです♪
濡れ縁があったりと何だかそこに留まりたい居心地の良い場所が多くありました。
こちらもその1つ
大広間の端に2畳のスペースがあり、そこからも池、鯉、植栽が望め、いつまでもそこでボーっと外を眺めていたいと思える場所でした。
外の環境も非常に重要になってきますが家にもこのような場所があると自ずと家族が集まってくるかもしれませんね。
家ならもっとラフに使えるでしょうし。笑
さて、今回はグラスウールの入れ方について
前々回のブログでグラスウールはこうすることで結露してズレたりしないとお話しましたがそれはそもそもグラスウールが綺麗に入れられている前提の話。
まず、グラスウールには最初から気密シートがついている袋入りのグラスウールと別で気密シートを施工する裸のグラスウールのパターンの2つがあります。
これを聞くと普通に袋入りのグラスウールの方が楽でいいじゃないかと思えますよね。
袋入りのグラスウールは入れるのが難しいということと気密がより取りにくいというデメリットが良く上がりますが2つとも丁寧に施工すれば問題ありません。
その他に問題が...
実際に入れてみると問題が分かります。
まず100mm厚の壁を用意します。
そして同じ100mm厚の袋入りのグラスウールを入れてみます。
この袋の中にグラスウールが入っています。
正面から見るとしっかり壁に入っているように見えますね。
グラスウールの施工は大工さんの外仕事がほぼ終わってから行われるのでグラスウールを入れた後の外側(外部側)は本来見ることができません。
しかし、この状態なら見ることができます!
後ろを見てみると...
あれ?と思いませんか?
100mm厚の壁に100mm厚のグラスウールを入れているので本来なら壁いっぱいにグラスウールがあるはずなのに壁の内側の端っこの部分は木が見えていますね。
こうなってくると紙面で100mmのグラスウール断熱と記載があったとしても誰が見ても100mmの断熱とは言えませんよね。
袋入りのグラスウールは丁寧に施工しても裏ではどうしてもこのようになってしまう可能性が高く、確認のしようがないので弊社では使用していません。
しかし、「裸のグラスウールなら安心!」と思ってもいけません。
こちらが100mm厚の壁に100mmの裸のグラスウール(白い部分)を入れたところ
ギュウギュウに入っていますね。
さて、恒例の裏を見てみましょう...
あれ?と思いますね。
裸のグラスウールはガラス繊維が綿のようになっているのですがその部分がガサガサした木肌に引っ掛かりこのようになっています。これじゃ一緒じゃないか...実はこれを正す方法があります!
木肌で引っ掛かるのでグラスウールを入れる時に一度奥まで押し込みます。
そしてカッターなどの道具を使って表面まで戻してあげるのがグラスウールの入れ方の一連の流れ。
最後には表面も裏も同じようになります。
袋入りのグラスウールでは奥に押し込むことができないのでこの作業ができません。
実際に現場でも押し込まずに入れてみたことがあります。
少し分かりずらくても申し訳ないのですが、ピンク色の物がグラスウールです。
赤丸の隙間がある面が外部面となります。
やはり実際に現場で入れてみても同じように隙間が空きました。
小さなグラスウールを入れることもありますが上の写真のように隙間が多くなることもあるので注意しながら入れなくてはいけません。
このように裸のグラスウールでも袋入りのグラスウールと同じようになる可能性があるのでただ裸のグラスウールにすれば良いというわけではありません。
グラスウールをカットして、入れて、押し込んで、戻しての繰り返しで紙面通りのグラスウールの性能値を発揮することができます。
裸のグラスウールとセットの気密シートについては次にちょこっとだけ書きたいと思います。