第1種換気を使っておけばOK?①
こんにちは、隅です!
お客様にどんなお家にしたいか、どんな設備を使いたいかなどのヒアリングをする際に「第1種換気を使いたいんですけど」と言われることがよくあります。
メンテナンスをしっかりすることは必須ですが簡単にいうと冬場温めた室内の空気を利用して外の冷たい空気を温めて室内に取り込むので余計な暖房費(冷房費)がかからないし、湿度も温度と同じように室内にあったものを取り込んでくれる優れもの。
第1種換気には熱交換効率といって換気により外気を取り込む際に外気を室内の温度に何%近づけて室内に取り込むという数値もあって90%などの設定もあり効率が高いとありがたいですよね。
ただこの第1種換気良いこと多いからだけで使って良いのでしょうか?
熱交換効率もこのままの数値で考えれば良いのでしょうか?
少し見てみましょう!
まず住宅というのは2時間で1回家の中の空気を入れ替えてくださいと法律で決まっています。
今回は30坪(100㎡)の天井高2.4mのお家で考えてみます。
換気量は100㎡×2.4m=240㎥ 240㎥×0.5回/h=120㎥/h
1時間で120㎥の空気を換気します。
まずは外の空気をそのまま取込み、室内の空気をそのまま捨てる第3種換気の場合を考えてみます。
換気から逃げる熱の量は
0.34wh/㎥℃×120㎥/h×20℃(内外温度差)×24h(1日)=19.584kwh/日
これを電気代28円/kwhでCOP4のエアコンで暖房する場合
19.584kwh/日→137円/日
対して第1種換気(熱交換効率90%)の場合を考えてみます。
熱交換効率が90%の場合、室内が20℃であれば18℃にして室内に供給してくれます。
換気から逃げる熱の量は
137円/日×0.1(10%は熱交換されない)=13.7円/日
そしてそれぞれ換気の動力と換気以外の壁や床など外皮から逃げる熱も見てみましょう。
換気動力は
20W×24h=0.48kwh/日×28円/kwh=14円/日
Ua値0.5W/㎡・Kの場合の外皮からの熱の逃げは
0.5W/㎡・K×250㎡(外皮面積)×20K(内外温度差)×24h=60kwh/日
60kwh/日→420円/日
換気動力は
60W×24h=1.44kwh/日×28円/kwh=41円/日
Ua値0.5W/㎡・Kの場合の外皮からの熱の逃げは
0.5W/㎡・K×250㎡(外皮面積)×20K(内外温度差)×24h=60kwh/日
60kwh/日→420円/日
それでは差を見てみます。
室温を20℃に保つには第3種換気と第1種換気で1日あたり約100円ほどの差があることが分かりました。
やっぱり第1種換気に決まり!...となって良いのでしょうか?
まだ考えなくてはいけないことがありそう...次回に続く。