ドアを開ければ玄関まで快適?
こんにちは、隅です!
先日、新住協のセミナーで新潟市まで行ってきました。
講師は新潟だけではなく全国的にも有名なあのオーガニックスタジオ新潟の相模さんということでとても楽しみにしていました。
実際に施工した空調の方法など非常に勉強になりました。
そして帰ってくるとある本が届いていました。
こちらも新住協の代表である鎌田先生が作成された本
細かいことがたくさん載っているのでちまちま読み進めていきます。
さて、今回はドアを開けると玄関まで快適?ということでお話をします。
家に入ってまず温度を感じるのが玄関になると思います。
LDKなどで暖房や冷房をしている場合、LDKと玄関ホールの扉が閉まっていても外よりは暖かく、涼しいので快適に感じるかもしれません。
また内見などに行った際はドアが解放されており全ての場所が暖かく、涼しく感じるかもしれません。
そこでドアが閉まっている時と開いている時の温度がどれくらい違うのか見てみましょう!
分かりやすいように冬で計算してみます。
まず間取りとしてすごく簡単にこんな感じ
室内は22℃60%で設定し、屋外は0℃70%の場合で玄関ホールと洗濯室を例にして考えてみます。
仕様は総2階建てを想定(玄関は2階なし)
断熱は
天井:高性能グラスウール200mm
壁:高性能グラスウール105mm
床:高性能グラスウール105mm
玄関ドア:U値2.3W/㎡・K
窓:U値2.15W/㎡・K
と仮定します。
それぞれドアを閉めた状態での温度はいくつになるでしょうか?
計算してみると玄関ホールは外皮面積(断熱材が入る面)が26㎡で熱損失(熱が逃げる量)が17.8W/Kとなり玄関ホールのUa値は0.68W/㎡・K。
ドアを閉めていてもLDKと玄関ホールの間の壁から熱は通り抜けるので7㎡分のLDKからの熱貫流などを踏まえると11℃となりました。
扉を閉めていると結構温度が低いことが分かります。
しかもこの中には玄関ドアの開け閉めは含んでいないのでさらに寒くなることが考えられます...
洗濯室を見てみると外皮面積は15㎡で玄関ホールと床面積は同じですが外に面している個所が少ないですね。
熱損失は9.7W/Kで洗濯室のUa値は0.65W/㎡・K。
LDKから洗濯室への熱貫流は17㎡分。そして洗濯物を干していると何だか湿度が上がるのはもちろん、温度も上がる気がしますが洗濯物の水分が水蒸気に変わるには熱が必要となるので空気中の熱をもらって水蒸気になって空気温度は下げています。
10kgの洗濯機で大体5kg=5Lの水が洗濯物についていると考えると
0.694wh/g(1gの水が蒸発する際に必要なエネルギー)×5,000g=3,470wh
例えば24時間で乾くとすると3,470wh÷24h≒150W
150W冷やすことになります。
なんてことも踏まえて計算すると15℃となりました。
こちらも扉を閉めていると案外温度は低いことが分かりましたね。
それでは扉を開けて状態で計算してみましょう。
とその前に...
皆さんは画像のように扉を開けるとLDKの空気がそのまま全て玄関ホールの方に行ってくれると思いますか?
実は全部が行くわけではありません。
温度を持った空気はそれぞれの重さなどの関係で大体半分くらいずつが入れ替わるように出入りします。
だから計算もLDKの空気が全部行く体で計算せずに半分の空気で計算します。
毎回非常に長くなるので続きはまた明日。