COLUMN住まいのコラム

断熱で快適な暮らしに変化する北陸石川県の家づくり秘訣

イエタッタ編集部
2019.10.18

家づくりをするにあたってよく出てくる4つのキーワードがあります。

耐震性能断熱性能、機能性デザイン、以上の4つです。

決断の多い家づくりにおいて、これらがどんな目的で、何を実現させるのか知らなければなりません。

4回に分けてキーワードについて説明していきます。

 

 

断熱性能の目的

断熱と聞くと「冬暖かく、夏涼しい」というイメージがあると思います。

断熱の本来の意味は、「熱を通しにくくし、同じ温度を保つ力」です。

エアコンを消しても、部屋の温度がなかなか変化しないのが断熱性能が高い住まいとなります。

ペットボトル飲料は無断熱、魔法瓶の水筒が高断熱とイメージするとわかりやすいと思います。

ではなぜ断熱性能を高くするのが良いとされているのか。

断熱性能の目的は、健康で快適な暮らしをすることと、省エネで光熱費を抑えたお得な暮らしをすることです。

 

寒さは万病の原因

日本よりも少し寒い国ですが、イギリスには室温と健康リスクの関係が定義づけられています。

 21℃:健康な温度

 19℃:健康リスクが現れる温度

 16℃:深刻なリスクが現れる温度

 10℃:高齢者に低体温症が現れる温度

このように寒さと健康被害には一定の因果関係があると考えられており、最低室温規定を設ける国は多くあります。

日本では交通事故とヒートショックを含んだ入浴関連事故での死亡者数の比較により、その危険性が周知されています。

交通事故での死亡者数が約3,900人に対して、入浴関連事故は約19,000人と4倍以上多くなっています。

ヒートショック以外の人数も数えられているため断言はできませんが、交通事故よりもヒートショックで亡くなられる方が多いのが想像できます。

やはり寒さによる健康リスクは高いと考えられます。

また近年、夏の猛暑で脱水症状による死亡事故も増えています。

これも適切な温熱環境で生活できていないのが原因で、断熱性能との因果関係があると考えられます。

 

正しい性能値の認識の仕方

「○○とい材料を使っているので高断熱です」という表記をよく見かけます。

これは半分正解で、半分は間違いです。

理由は、断熱性能は「材料の性能と厚さの掛け算」で決まるからです。

いくら高性能な材料でも、薄いものでは断熱性能が高いと言えません。

逆に材料単体の性能は低いものの、厚みが確保できれば高性能にもなります。

 

気密性能ってなに

高断熱と同列で説明されるのが、高気密という性能です。

気密性能は、建物の隙間の大きさを表します。

人の手仕事でつくられるのが住宅のため、どうしても隙間は生じます。

その隙間から外気が入って室内環境に影響を与えるため、気密は高いにこしたことがありません。

高い断熱性能でも、気密性能が低ければその効果は発揮されないことになるので、高気密と高断熱はセットで考えなければなりません。

また断熱性能は断熱材とその厚みで決まるため事前に設計可能ですが、気密性能は完成した住まいの工事の精度により異なるので、各社の実力が問われる部分でもあります。

近年、便利な建材や高気密の施工が当たり前になっているので平均的なレベルはあがっています。

こだわりを持たれる方は、過去の実績を聞いてみても良いかもしれません。

 

 

 

断熱性能の話は奥が深いので、続きはvol.2をお待ちください。

 

 

 

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