今さら聞けない無垢の床が温かい理由
「無垢材だから温かい」とか「無垢材だから温もりがある」とか、よく耳にしませんか?
これにはちゃんとした理由があります。
まず無垢フローリングと一般的な複合フローリングの違いを整理します。
無垢材と複合フローリングでは相反する特徴があります。
ここで温もりが感じられるかどうかの違いは、空気層の有無に関係します。
元々木が根っこから養分を吸い上げるための無数の小さな穴があり、それが無垢のフローリングとして製材されたときに空気層として残ります。
空気層には一定の断熱効果があります。
ペアガラスやトリプルガラスのガラスとガラスの間も空気層です。
(より断熱性能を高めるために、ガスを入れる場合がある)
目には見えない大きさですが、この小さな空気層が無数にあり、そこに温かい空気を持つことができるので温かさや温もりを感じられます。
複合フローリングの場合は、単板貼りという表面材は2~3mmだけ無垢、芯材は合板というパターンです。
合板は木を大根のかつら剥きのように薄く切り、それを接着剤で何層も固めることによって強度を持たせた材料になります。
強度はあるけど、空気層を持たない作り方になるので、複合フローリングは温もりを感じにくくなっています。
その代わり、複合フローリングは乾燥収縮しにくく、目地(継ぎ目)が開きにくくなっているため、ゴミが詰まって掃除しにくい状況も発生しにくくなっています。
また表面のコーティング技術が優秀で、メンテナンスフリーとうたっている商品も多くあります。
よく無垢材がいいに決まっているなんて語気を強める方もいますが、決してそうとは限りません。
無垢材と複合フローリングは相反する特徴があるということを理解して、自分たちの求めるものが何かに照らし合わせて決めることが大切です。