本当に豊かな住宅とは
昨日、こんなイベントに参加してきました。
LIFULL HOME'S総研所長である島原万丈さんのトークイベントです。
島原さんはユーザー目線の住宅市場の調査研究と提言活動に従事しています。
その中で昨年エピソード1、今年エピソード2として発表されたのが「住宅幸福論」となっています。
今回はエピソード2幸福な国の住まい方と題して、幸福度ランキングベスト3以内に入っているデンマークの住宅事情と日本の事情を比較した内容についてお話していただきました。
非常に良い内容で、作り手である住宅会社の人にとっても、また住まい手となるお客様にとっても大切な価値観の気付きになると感じました。
日本にとって住宅を取得するのは物を買う感覚に近い傾向があり、比較対象となったデンマークは住まいで起きる出来事、体験を重視している傾向があります。
日当たりが良くて、新築の戸建であれば満足なのが日本であり、それらの条件は抑えた上で友人を招く空間にしたいとか住まいは自分のアイデンティティだと考えているのがデンマークです。
これが意味するところは、家づくりにどれだけ主体的に向き合えているのかという違いです。
リフォームやリノベーションへの取り組みも日本よりもデンマークの方が積極的ですし、その理由も壊れたものを修理する機能回復目的が日本で、生活をより豊かにしようというのがデンマークです。
このような価値観の違いは国が取り組む政策にも背景があり、お国柄が違うから違いがあって当然と言い切ることもできますが、家づくりや暮らしに対して主体的に取り組む姿勢というのはデンマークから学んでいいのかなと感じました。
人生を幸福にするのは衣食住の充実のはずです。
オシャレをして、美味しい食事をして、心地良い暮らしをする。
これらを実現するには、主体的に取り組むことが大切で、主体的に取り組むということは自分で意思決定をしてその決定で起きるメリット、デメリットの責任を負うことです。
私たちの仕事は住宅のプロとしてお客様をサポートすることです。
あくまでサポートです。
家づくりのプロジェクトリーダーはお客様で、お客様が主体性を持ってどれだけ積極的に取り組めるかによって、入居後の暮らしも含めて充実度が変わってきます。
家づくりをしながら薄々感じていたことが、しっかりとした調査研究で明らかになり、改めてハッとさせられました。
ついつい長くなってしまいましたが、トークイベントに参加しての感想や意見について書かせていただきました。
もし気になる方は下記のリンクからpdfを閲覧できます。
聞いてメモした内容のため、間違った印象を受けている可能性もありますが、その場合はご了承下さい。
1エピソードあたり雑誌1冊分のボリュームがあるのでなかなか見るの大変ですが、気付きは多いと思います。